November 2010


2010年度 日本映像学会 
中部支部第2回研究会(http://jasias-chubu.org/wp/?p=84

日時:2010年12月10日(金)17時~19時半頃まで
会場:名古屋文化短期大学 A館3階アセンブリーホール

第一部 17:00~17:45 研究発表とディスカッション

畑あゆみ会員(愛知県立大学他非常勤講師)
<非人称の空間>というユートピア:
自主記録映画『沖縄エロス外伝・モトシンカカランヌー』(1971)における上映運動の試み

研究発表要旨

『圧殺の森―高崎経済大学闘争の記録』(1967)を皮切りに盛り上がりを見せた1960年代末から1970年代初頭にかけての独立プロによる自主記録映画運動は、小川紳介や土本典昭、東陽一ら岩波映画出身のいわば「プロ」の作家たちだけでなく、運動の大きなうねりに刺激を受け映画製作を始めた多くの「小川以降世代」の若手ドキュメンタリストたちによっても支えられた。本発表では、この新左翼運動と密接に連携した自主上映ブームのなかで、当時の若手製作者たちが自らの自主上映運動の「場」をどのように捉え、理想化し、そしてそこに集まる観客とどのように向き合おうとしていたのかという点を検証してみたい。

第二部 18:00~19:30 講演とディスカッション

藤田修平氏(慶応大学環境情報学部専任講師)
「台湾でのドキュメンタリー制作~方法論、歴史・ネイションをめぐって~」
1)作品の紹介と内容、背景の説明
2)制作方法について(その問題点、課題など)
3)そこで考えたこと(国民国家、オーラルヒストリーなど)

藤田修平氏略歴

南カリフォルニア大学の大学院で映像制作を学んだ後、台湾で制作活動を始める。台湾での生活や体験を基にした長編映画「寧静夏日」はフィラデルフィア映画祭や釜山国際映画祭をはじめとして、世界各地の映画祭で上映された。その後、神奈川県に住まいを移し、第二次世界大戦中に日本で軍用機の生産に従事した約八千人の台湾の子供たちに関するドキュメンタリー「緑の海平線」をプロデューサーとして、郭亮吟監督と4年をかけて制作。2003年より慶應大学環境情報学部の専任講師を務める。(研究室ウェブより転載) (more…)

http://www.kyotocinema.jp/

12.5.「緑の海平線線」ー台湾少年工の記録ー おしらせ

緑の海平線ー台湾少年工の物語ー

ドキュメンタリー&トーク(藤田修平 慶応大学教員)

第二次世界大戦中に台湾から8000余名の少年たちが日本に派遣され、海軍工員として軍用機の生産に従事した。彼らは日本でどのような生活を送り、戦争をどう捉えたのか、そして戦後、異なる社会や体制下でいかに生き抜いていったのか。「緑の海平線」は高齢に達した元少年工の記憶を辿りながら、公的な文書の残されることのなかった東アジアの歴史を記録したドキュメンタリーである。

2010年12月5日(日)「京都シネマ」 (http://www.kyotocinema.jp/) 
四条烏丸下がる西側
TEL:075(353)4723

開始時刻 上映16時

一般 1300円
シニア、学生、高校生、京都シネマ会員 1000円
このチラシ持参の方3名まで1000円

主催
ドキュメンタリー・フィルム・ライブラリー
問合せ:075-344-2371マタガワ

監督:郭亮吟
ナレーション:林強
製作:藤田修平
撮影:劉吉雄
音楽:Tibor Szemzo
2007年/日本・台湾/60分/カラー

映画祭・受賞歴
* 文化庁映画賞2008(文化・記録映画部門)大賞
* 第三十回行政院新聞局「金穂賞」2008 大賞(台湾)
* ゆふいん文化・記録映画祭 2008 松川賞大賞・観客賞
* 台湾南方映画祭 最優秀ドキュメンタリー賞 2006
* 台北国際映画祭 2006 審査委員特別賞
* 台湾国際ドキュメンタリー映画祭 インターナショナルコンペティション 2007 (more…)